歯みがきのときに歯ぐきから血が出たり、腫れたりしているなと感じたことはありませんか?
歯ぐきからの出血や腫れは歯周病のサインです。歯周病は進行すると歯を失う可能性があるため、早めに治療する必要があります。
このブログでは、歯周病の原因や進行度別の症状、歯周病のセルフチェックリストを紹介します。
目次
■歯周病とは?
歯周病は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌の毒素によって歯ぐきに炎症が起き、進行すると歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。
2018年に全国2,345の歯科医院で行われた全国抜歯原因調査で、歯が失われる原因で最も多かったのが歯周病(37.1%)であったという結果が報告されています。
また、歯周病菌が血液を通して全身に送られると、糖尿病や心疾患などの全身疾患を引き起こすリスクが高くなることもわかっています。身体の健康を守るために、歯周病予防に努めましょう。
参考元:厚生労働省「生活習慣病などの情報(歯の喪失の原因)」
◎歯周病の原因と危険因子
歯周病は歯垢に含まれる細菌が作り出す毒素が原因で発症するのですが、以下のようなことが歯周病を進行させやすい因子といわれています。
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ストレス
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喫煙
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歯ぎしり・食いしばり・かみしめ
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不規則な食生活
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不適合な被せ物や入れ歯
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睡眠不足
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糖尿病や骨粗鬆症、白血病などの全身疾患
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薬の長期服用
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口呼吸 など
このような方は、歯周病にかかりやすかったり、進行しやすかったりする傾向があるため、特に注意が必要です。
■【進行度別】歯周病の症状
歯周病は、自覚症状がないまま進行し、症状があらわれたときにはすでにかなり進行していることが多い病気です。進行度別に歯周病の症状を解説します。
◎軽度(歯肉炎)
歯ぐきに炎症が起きて赤く腫れている状態。歯と歯の間の歯肉が丸みを帯びて膨らんでいます。歯みがきをすると出血しやすいですが、痛みはほとんどありません。自覚症状がほとんどないため、放置されがちです。
◎中等度(軽度~中等度歯周炎)
歯周病の軽度~中等度になると、歯ぐきはさらに赤く腫れて、歯みがきをすると出血が頻繁に見られるようになります。歯と歯ぐきの間には、歯周ポケットと呼ばれる隙間(3mm~)ができます。
さらに、歯肉が下がり、歯が長く見えるように見えることもあります。歯と歯の間に物が詰まりやすくなる、口臭が強くなる、朝起きると口の中がネバつくといった不快感が生じることもあります。そして歯を支えている骨のだんだん減ってきてしまいます。
◎重度(重度歯周炎)
重度の歯周病になると、歯を支えている骨の破壊が進み、歯がぐらつくようになります。歯肉は大きく下がり、歯と歯の間の隙間も目立つようになり、歯ぐきを押すと膿が出たり食事中に痛みがあらわれたりします。歯を支えている骨の破壊が進むと、歯が自然と抜け落ちてしまうこともあるため、注意が必要です。
■歯周病のセルフチェックリスト
次のような症状があらわれていたら歯周病を発症している可能性があります。いくつ当てはまるかチェックしましょう。
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口臭が気になる・指摘されたことがある
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朝起きたとき口の中が粘ついている
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歯みがき後に、歯ブラシの毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じったりすることがある
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歯ぐきが赤く腫れている
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歯ぐきが下がり、以前より歯が長くなったように感じる
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歯ぐきを押すと血や膿が出ることがある
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食べ物が歯と歯の間に物が詰まりやすくなった
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歯が浮いているように感じる
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歯並びが変化したように感じる
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歯がぐらついているように感じる
1~3つの症状が当てはまった人は、軽度の歯周病の可能性があります。症状が悪化する前に治療を受けましょう。
4~5つの症状が当てはまった人は、中等度以上まで歯周病が進行している恐れがあります。放置せずできるだけ早く歯科医院に相談してください。
チェック項目にひとつも当てはまらなかった人でも、歯周病は自覚症状がないまま進行することがあるため、定期的に検診を受けることをおすすめします。
【定期的に歯周病の予防とメンテナンスを行いましょう】
歯周病の原因や進行度別の症状、セルフチェックリストを紹介しました。歯周病は、気づかないうちに進行し、症状があらわれたときにはかなり進行してしまっていることが多く、放置していると歯を失う可能性がある怖い病気です。そのため、定期的に歯周病の予防とメンテナンスを行うことをおすすめします。
当院は、日本歯周病学会認定歯科衛生士が在籍しており、徹底した歯周病管理をしています。歯周病について不安がある人は、当院までお気軽にご相談ください。